栄養、サプリメント/アミノ酸 のバックアップ(No.4)

 
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アミノ酸の目次

アミノ酸

タンパク質を構成するアミノ酸は20種類あります。トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン、アルギニン、システイン、チロシン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリンです。
プロテインではなくアミノ酸を摂取するのは、早く吸収されることと消化しないでよいため胃腸に負担を掛けないという二つの理由が主です。

EAA

必須アミノ酸(Essential Amino Acid)は体内で合成できず、外部から摂取しなければならないアミノ酸のことで、全部で9種類あります。トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジンです。昔はヒスチジンを含めませんでしたが最近は含むようになりました。必須アミノ酸には含まれませんが、必要量を体内で合成するのが難しいアルギニン、システイン、チロシンは準必須アミノ酸と呼ばれます。

必須アミノ酸が足りなくなると当然ながら筋合成ができなくなるだけでなく、アミノ酸欠乏症が起こります。筋肉のたんぱくの崩壊やむくみをおこす急性栄養不良や、血中のタンパクの低下により血液中の水分が血管の外へ染み出していき、免疫機能の低下、筋肉の衰え、知覚障害、精神異常などの症状が起こります。

トレーニング中にEAAを摂取する事により筋量の低下を防ぎます。EAA製品にはトリプトファンだけ入っていない物がほとんどです。これはトリプトファン濃度が上がると、脳内のトリプトファンがアルブミンと遊離して、セロトニンが発生します。セロトニンは疲れた脳を休ませる神経伝達物質なので、やる気が低下してしまうためです。EAAはトレーニング前、中、後に飲むのがお勧めです。特にトレーニング直後のゴールデンタイムは胃腸が正常に機能しないためプロテインでは胃腸に対する負担が大きくなってしまいます。そこでプロテインを飲むより先にEAAを摂取することで素早く筋肉に栄養を届ける事ができます。またトレーニング開始前に飲む事によってトレーニング開始からタンパク質同化を促す事ができます。

最近エチルエステル化したEAAが売られています(EAAEE)。EAAEEは体内での半減期が短いため、単体のEAAより利用効率が高いです。

BCAA

BCAA(Branched Chain Amino Acid)とは必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。これらの分子構造は分岐鎖を含むためそう呼ばれています。BCAAは筋肉中のタンパク質の15%から20%程度を占めています。運動中にエネルギーが足りなくなると筋肉を分解しBCAAを取り出し、消費してエネルギーにします。BCAAを摂取することにより筋肉の異化を防ぎ筋量の低下を押さえ、運動する際のエネルギー源となります。また損傷した筋肉を素早く回復する効果もあります。摂取したBCAAは1時間以内には約半分、2時間以内にすべてが使われるのでトレーニング30分前とトレーニング後に摂取するのが理想です。エネルギーを生成するのに一番効果のあるBCAAはロイシンです。

BCAAには疲労物質である乳酸の生成を抑える効果もあります。トレーニングにより血中の乳酸が増えると、筋肉中のpHが下がり、筋収縮しづらくなります。BCAAは血液中の乳酸濃度の上昇を防ぐためトレーニング中の疲労を押さえる事ができます。

またやる気の低下も防止することができます。長時間運動で血中のBCAA濃度が下がると、トリプトファンの濃度が上がります。脳の中でトリプトファンがアルブミンと遊離して、セロトニンが発生します。セロトニンは疲れた脳を休ませる神経伝達物質なので、やる気が低下してしまいます。BCAAはセロトニンの上昇を抑える働きをするため、集中力ややる気を維持することができます。

グルタミン

グルタミンは骨格筋に最も多く含まれるアミノ酸で、ロイシンと同じように筋たんぱく質の合成を助け、分解を抑制する働きをします。激しい運動を続けると多くの臓器でグルタミンが必要になるため、スポーツをする時にはグルタミンの補給も大切です。また、疲労の軽減、免疫力の低下の軽減にも効果があります。BCAAと同様にトレーニング前後に摂取することを勧めます。グルタミンは変性しやすいので水に溶かしたらすぐに摂取する事を勧めます。

アルギニン

アルギニンは、成長ホルモンの分泌に深く関わっています。成長ホルモンは筋肉の増強にも、筋肉の修復にも大切で、アルギニンを補給することで筋たんぱく質の合成をより促進すると考えられています。またアルギニンは血液循環を増加させる一酸化窒素の前駆物質なので、ダメージをうけた筋肉内への栄養素供給能力を高め、修復と成長を促進します。さらに、筋肉内に存在する高エネルギー物質(グアニジノリン酸、リン酸アルギニン、クレアチンなど)の前駆物質でもあり、筋力、筋持久力を向上させてパフォーマンスを高めます。トレーニング後に飲む事を勧めます。

タウリン

タウリンは抑制性神経伝達物質で心拍数や神経の電気活性を安定させて鎮静作用を促し
ます。食間、就寝前に取る事を勧めます。

クレアチン

クレアチンは赤筋組織に自然に存在するエネルギー前駆物質で、筋肉のエネルギー源ATP(アデノシン三リン酸)の再合成を促します。筋肉中のクレアチンレベルが高まるとエネルギー供給率が高まり、高強度エクササイズに必要なエネルギーアップ、ワークアウト中およびワークアウト後の回復を早めます。クレアチンを摂取する事により持久力を改善して疲労を遅らせることが可能です。クレアチンは体内でグリシン、アルギニン、メチオニンなどのアミノ酸から合成されていますが、サプリメントとして摂取する事により、以前より高強度のトレーニングを行う事が可能になります。

食品に含まれるクレアチンはとても少ないです。たとえば5gのクレアチンを食品から摂取するとしたら肉だったら1kg、魚だったら500g食べなければいけません。毎日その程度の量を摂取できる人でしたら体内中のクレアチン濃度は飽和していると思いますが、多くの人はそんなに摂取できないと思います。

また、過剰摂取にさえ気をつければ比較的若い年齢から使用しても問題ないと言われています。厳格なベジタリアンの家庭で育てられている子供に対し、1日1gのクレアチンを摂取させることは、健康面でもいくらか言い訳が利くと思われます。

種類

クレアチンは主にクレアチンモノハイドレート、CEE(クレアチンエチルエステル)、クレアチンマレート、クレアチンアルカリンの4種類あります。

モノハイドレートは水分を体に溜め込むので体重が3〜5%程度増加しますが、これは筋量が増えたわけでないです。
クレアチンモノハイドレートの製造会社はドイツのデグサ社かアメリカのファンスティール社の2社ぐらい。実質この2社が製造したクレアチンが、市場に出回っているクレアチン製品の90%以上を占めてる。品質的にもこの2社は世界最高水準を保ってる。逆に言うと、この2社以外のメーカーのクレアチンを使ってたら、それは粗悪品と言って間違いない。大手は信用問題もあるのでそんな粗悪品に手を出したりはしない。どこのメーカーもこの2社のクレアチンを自社のボトルに詰めて販売するだけだから、安い商品を選べばよい。

CEEはモノハイドレートよりも速く効率的に吸収されるため、遊離クレアチンの血清濃度が急速に大幅上昇します。高親油性のためクレアチントランスポータを必要とせずに筋肉細胞に直接吸収されると考えられています。普通のクレアチンモノハイドレートその他のクレアチン塩に比べ、CEEに反応しないユーザーは少ないようです。

クレアチンマレートはモノハイドレートよりも遥かに体内で有効利用されるクレアチンです。殆ど100%の効率で血流に取り込まれて筋肉組織へ運ばれ、筋肉細胞に吸収されます。

飲み方

飲み方は大きく分けて二つあると思います。一つはローディング期間とメンテナンス期間を設ける方法、もう一つは常に同量のクレアチンを摂取する方法です。

前者の場合はローディング期間には1回5gを1日4回を5日間続けて摂取し、メンテナンス期間に1日に3g程度を飲みます。後者は一日3gを毎日飲みます。どちらの方法をやっていても3ヶ月間摂取したら1ヶ月程度全く飲まない期間を設けてクレアチン濃度を元に戻す場合があります。これは体内でのクレアチン合成能力を落とさないためと言われていますが、これをする必要性があるかどうかは確かではありません。

クレアチンは酸性の物に溶かすとクレアチニンになってしまうため効果が少なくなりますので、グレープフルーツジュースとかオレンジジュースに溶かすのは止めた方が良いです。またブドウ糖を含む物と同時に摂取するとインスリンの効果で吸収が促されます。お勧めなのはアップルジュースを暖め、それに溶かす方法です。

どのクレアチンも摂取しているときは水分を一日2リットルは摂取する必要があります。さもなければ筋断裂などの大きな怪我をしてしまう可能性があります。水は一気に飲むのではなくちびちび摂取して下さい。

チロシン

チロシンは神経伝達物質ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン、そして身体的な不快感を抑制する特殊なペプチド、エンケファリンの前駆体です。また、身体にとって重要な役割を持つ特別な物質、アミノ糖(グリコサミノグリカン)の構成成分でもあります。チロシンは精神的ストレスを抑制し、集中力を高め、記憶力を向上させます。食間に取る事を勧めます。

ペプチド

アミノ酸が重合した物で、プロテインを分解する過程で作られます。アミノ酸単体より小腸での吸収が良く、浸透圧の関係で胃の通過時間も短いのが特徴です。

脂肪燃焼系アミノ酸

最近注目を浴びているのが脂肪燃焼を促すアミノ酸で、主にリジン、プロリン、アラニン、アルギニンの4種類です。脂肪燃焼系アミノ酸を摂取する事により、リパーゼという脂肪燃焼酵素を活発にし、脂肪を分解し血中に放出することで、溜まっている内臓脂肪や皮下脂肪を減少させます。当然ながら遊離した脂肪は運動によって消費しない限りまた元に戻ってしまいます。

FAQ

Q.どれを飲んだらいいの?

A.プロテインだけしか飲んでないとしたら、次にEAAまたはBCAAを追加を勧めます。これらは筋肉の異化を防ぐのに有効ですので、筋量の増加が見込めます。その次に選ぶとしたらクレアチンです。クレアチンを飽和させる事により筋力が著しく上がります。

Q.クレアチンを摂取したら筋肉痛がひどくなりました。

A.効果が出てる印です。クレアチンを摂取する事により、いつもより高強度のトレーニングができているのだと思います。いつもより多めのプロテインと休養を取る事を勧めます。


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